インターナルコミュニケーション(IC)は、社員エンゲージメントを高め、組織文化を育み、経営を前進させる力を持っています。
そのため多くの企業が、
- 社内報
- 社内SNS
- 動画配信
- 社内イベント
- 対話施策
- アプリ活用
など、さまざまなIC施策に取り組んでいます。
しかしその一方で、多くの担当者がぶつかる壁があります。
「結局、何をもって成功と言えるのか」
という問題です。
閲覧率が上がれば成功なのか。
イベント参加率が高ければ良いのか。
エンゲージメントスコアが改善すれば十分なのか。
あるいは、
離職率改善や業績向上までつながって初めて成果なのか。
ICは企業経営において重要性が高まっている一方で、
目標設定や成果測定が非常に難しい領域でもあります。
では、なぜICはこれほど成果が見えにくいのでしょうか。
理由① ICは「人の感情」と「組織文化」を扱っているから
ICの難しさの根本には、
扱っている対象そのものがあります。
ICが向き合っているのは、単なる情報伝達ではありません。
例えば、
- 経営への信頼
- 心理的安全性
- 組織への誇り
- 自分ごと化
- 挑戦しやすさ
- 他部署理解
- 対話の質
といった、「組織状態」に近いものです。
これらは数値化しづらく、
しかも短期間では変化が見えません。
例えば、社長メッセージを改善したからといって、
翌月の売上が急に伸びるわけではありません。
しかしその言葉が、
社員の納得感を高め、
判断基準を揃え、
挑戦を後押しし、
数年後の組織文化を変えていくことはあります。
ICの成果は、
広告のように短期で現れるものではなく、
組織の深部にゆっくり浸透していくものなのです。
理由② 成果が「複合要因」で決まるから
ICは、単独で成果を証明しにくい施策です。
例えば業績が向上したとしても、そこには
- 経営戦略
- 商品力
- 人事制度
- マネジメント
- 採用
- 市場環境
- DX推進
など、さまざまな要因が関わっています。
その中で、
「社内報のおかげで売上が上がった」
と単独で証明することは、ほぼ不可能です。
これはICに限らず、
組織づくり全般に言えることかもしれません。
特にICは、
“空気”や“認識”に作用する施策です。
その影響は、
他の施策と混ざり合いながら、
じわじわと組織に表れていきます。
だからこそ、
ICでは「単独成果」を求めすぎないことも重要です。
むしろ、
「組織改善にどう寄与したか」
という視点で捉える必要があります。
理由③ 「施策実施」が目的化しやすいから
ICでは、
- 社内報を発行する
- イベントを開催する
- 動画を制作する
- アプリを導入する
こと自体が目的になってしまうケースがあります。
しかし本来重要なのは、
「その施策によって、組織の何を変えたいのか」
です。
例えば、
若手離職が課題になっている会社があるとします。
その背景に、
- 会社の方向性が見えない
- 他部署との接点が少ない
- 仕事の意味を感じにくい
という状態があるなら、
必要なのは単なる情報量ではありません。
- 経営理解
- 仕事の意味づけ
- 横のつながり
- ロールモデル共有
といったコミュニケーションです。
するとIC施策も、
- 経営インタビュー
- 社員ストーリー
- 他部署紹介
- 対話型イベント
など、組織課題に紐づいたものに変わっていきます。
つまりICでは、
「何を発信するか」
よりも、
「組織のどの状態を変えたいのか」
を起点に考えることが重要なのです。
では、ICは何を測れば良いのでしょうか?
ICでは、閲覧率やPVだけを見ても不十分です。
一方で、業績だけで測ろうとしても距離が遠すぎます。
では、どのような測定方法があるのでしょうか。
各企業が設けている指標や調査について、ウィズワークスが開催してきた「ICP session(先進的な取り組みを進めるIC担当者に自社の取り組みを紹介してもらう交流の場」や「ICサークル(社内報担当者が自社の社内報を持ち寄り意見交換を行う場)」といった学びの場では、各社の様々な取り組みが紹介され、情報交換が行われてきました。
その中で明らかになって来たことがあります。
まず大切なことは、組織課題を明らかにし、かなえたい姿(ゴール)を設定すること。
そのゴールと現状のギャップを整理し、ギャップを埋めるためのIC施策を立案すること。
そして、そのIC施策によって、誰が、どんなことをしてくれれば成功と言えるのかを定義すること。
それらを行ってはじめて、目標を設定することができます。
つまり「どの企業にも当てはまる目標設定」というものは存在せず、課題を起点に目標を設定する姿勢が、IC担当者には求められているのです。
そしてそのためには、施策を実施する力だけでなく、組織の状態を読み取り、課題を言語化する力が欠かせません。
インターナルコミュニケーションの成果を測ることは簡単ではありません。
しかし、その難しさと向き合い続けることこそが、組織をより良くしていく第一歩なのではないでしょうか。
ウィズワークスは、インターナルコミュニケーションに関するあらゆるご相談に対応しています。また、孤軍奮闘しがちなIC担当者が共に学び合い、高め合う場として、「ICMeetup」を定期的に開催しています。