企業の社内報担当を含め、約30年にわたり社内報づくりに携わってきた中内さん。
ウィズワークスでは、ディレクターとして多くの企業の社内報づくりに伴走してきました。
社内報は会社を変えるのでしょうか。
社内報はこれからも必要なのでしょうか。
長年、社内報と向き合い続けてきた社内報事業部 ディレクター/スペシャリストの中内さんに、wis-JORNAL編集部が話を聞きました。
社内報との出会いは「明日から担当ね」だった
――中内さんが社内報と出会ったきっかけを教えてください。
新卒で入社した会社で、社内報を一人で担当していた先輩が急に退職することになり、上司から「読み書き得意だったよな? 明日から社内報担当」と、ある日突然言われたのがきっかけです。
正直に言うと、それまでは大して社内報を読んでいませんでした(笑)。読み書きは好きでしたが、編集の勉強をしたこともなかったし、社内報は何のために発行するのかも、当時は十分わかっていませんでした。
ただ、会社が好きだったし、一緒に働く人たちのことも大好きだったので、仕事には意欲的に取り組んでいました。
――最初からうまくいったのでしょうか。
全然です(笑)。
担当になって最初の号で現場の好事例を共有する特集を企画し、全国の拠点にアンケートを依頼したところ、現場からすぐ「こんな時期に何をやらせるんだ!」とお叱りの電話がかかってきました。1年で最大の繁忙期だったんです。
「周囲が協力しやすい環境をつくらなければいけない」「独りよがりではだめなんだ」と、この経験から教えていただきました。その時叱ってくれた方が、びっしりアンケートに回答してくれたことも良い思い出です。
そこからは、丁寧なコミュニケーションを心掛けるようになりました。依頼時はその人のもとへ足を運んで「あなたに協力してほしいんです」とお願いしたり、締め切り間近になると「楽しみにしています!」と声掛け(催促?)したり。協力してくれた人には、発行後、読者からどのような反応があったかもお伝えしていました。社内の巻き込みにも力を入れていたと思います。当時、社内報では社員にイラストを描いてもらっていたので、全国のリーダーが集まる会議で「画伯募集!」というチラシを配って協力を呼び掛けることもありました。
ウィズワークスで知った、社内報に情熱を注ぐ人たちの存在
――その後、ウィズワークスの前身である㈱ナナ・コーポレート・コミュニケーションに入社します。
前職では社内報づくりと兼務で接客業務なども行っていて、どちらも大好きな仕事でした。でもそれぞれは別の仕事で、両立が難しいときもありました。それが入社すると、「社内報をつくること」と「お客さまに喜んでいただくこと」がひとつになりました。
「好きなことが一度に両方できる!」
それに気づいて、本当に嬉しかったです。
さらに驚いたのは、社内報について熱く語る人たちが大勢いたことです。
創業者の福西七重をはじめ、社内報の力を本気で信じ、情熱を注いでいる仲間たちがいました。
前職では一人担当だったので、「こんなに社内報を大事に考えている人たちがいるんだ」と感動したのを覚えています。
そして、私自身が「社内報をつくる」だけでなく、かつての自分と同じように一人で悩む担当者を支える存在になりたいという、新しい目標も生まれました。
社内報は「記事」ではなく「場」
――社内報の本当の価値はどこにあると考えていますか。
社内報の価値は、完成した記事だけではないと思っています。
例えば、担当させていただいているお客さまでは、表紙撮影を含む職場紹介企画の取材を依頼する際、事前アンケートにもご協力をお願いしています。ある職場では、そのアンケートに回答するためのワーキンググループを立ち上げてくれたんです。
「自分たちの職場の強みは何か」
「職場のどんな魅力を社内に伝えたいか」
「表紙撮影はどこで行うのが自分たちらしいか」
社員の皆さんが意見を出し合い、取材に向けて準備をしてくれました。
完成した記事(アウトプット)だけが社内報の価値ではありません。取材をきっかけに「自分たちの強みは何か」を話し合うような、「制作のプロセス」の中で生まれるコミュニケーションも、社内報が生み出す価値だといえるでしょう。
そういった意味で、社内報は記事ではなく、“場”なんだと感じています。
プロだからこそできること
――中内さんは、ディレクターの役割をどのように考えていますか。
社内報づくりの仕事は、「お客さまと二人三脚」で行うものだと思っています。
お客さまには情報、ネットワーク、そして自社で働く一人としての愛情があります。
ディレクターには企画・制作の知見・ノウハウ、そしてお客さまを思う気持ちがあります。
その両方が合わさることで、社内報づくりの質向上が可能になります。
だから、専門会社としての知識やスキルを磨き続けなければなりません。例えば、お客さまのお悩みや叶えたい目的に対して最適なご提案を速やかに提示できるよう、常に様々な企業の社内報を読み込み、アイデアの引き出しを増やす努力をしています。
知識やスキルを磨くことは、まったく苦になりません。お客さまにもっと喜んでいただけることにつながりますので。
――専門会社としての価値はどこにあるのでしょうか。
ウィズワークスはさまざまなバックボーンを持つ人が集う個性豊かな会社なので、ディレクターの価値発揮の仕方は様々だと思います。私が大切にしていることの一つは、「言葉を整える技術」です。
実は最近、校正講座を8か月間受講したのですが、あらためて編集の技術を体系的に学び直す機会にもなりました。
例えば原稿整理。誤字・脱字を直し、形式を整えるだけではありません。
企画で伝えたいことがきちんと伝わるよう、構成や順序、表現を整えていくことも大切です。企画で伝えたいことが伝わるよう、言葉に魂を込める仕事だと、あらためて確信することができました。
もう一つは、「人を輝かせる技術」です。
プロのカメラマンやライターが取材に入ることは、多くの社員にとって人生で一度きりの特別な体験かもしれません。
だからこそ私たちは、そこで働く人たちの魅力や誇りを引き出せるように、最高の場づくりに全力を注ぎます。
登場していただく社員の喜びを高め、読者に伝えたいメッセージをより届きやすくする。
それもまた、私たち専門会社の役割だと思っています。
社内報は組織の鏡
――約30年間社内報を見続けてきた今、社内報の力をどう考えていますか。
私はずっと社内報制作に携わってきましたが、「社内報には会社を変える力がある」とまで言い切ることはできません。ただ、社内報と組織は影響し合うものだと感じています。
創業者の福西は、社内報を「漢方薬のようなもの」だと言いました。西洋薬のように特定の症状へ即座にアタックするものではなく、効果が現れるまでに時間がかかり、いつ効き始めるかも明確にはわからない。しかし、じわじわと効き、日々の発信を通じて健やかな組織を作るための土台を築く役割を担います。
20年以上担当させていただいているお客さまでは、社員からいただいた投稿を一度も断ったことがありません。
「投稿すれば必ず載せてもらえる」
そんな実績を積み重ねることで、
「ここは自分が発信していい場所なんだ」
という安心感が少しずつ育まれていきました。
私は、働く人が安心して参加できる場をつくることも社内報の大切な役割だと思っています。
お付き合いの当初は直立不動で真面目な顔をした役職者の写真ばかりだったのに、今では若手が自由にポーズを取る写真をたくさん掲載するようになっているお客さまもいます。企画の切り口も現場が主役になり、デザインも大きく変わりました。
社内報があるから組織が変わったとは言えません。でも読者との信頼関係を積み重ねることで、社風の移り変わりを支え、組織の活性化を後押しする場になれていたら嬉しく思います。
社内報そのものが組織を劇的に変えるというよりは、会社の変化とともに歩み、その時々の組織の状態を映し出す「鏡」のような存在だと考えています。
良い会社づくりの、ほんの少しを
――最後に、これからの目標を教えてください。
企業の一人担当者として社内報をつくり、ウィズワークスでは社内報の力を信じる多くのプロフェッショナルと仕事をしてきました。
そんな30年を経て、ようやく今、「私は社内報の力を信じています」と言えるようになった気がします。
社内報がきっかけで社風が移り変わっていく様子や、社員との信頼関係が築かれていく過程を肌で感じてきました。そして今も、取材のたびに感動させていただいています。
自社のことを大切に思うご担当者、仕事に誇りを持つカメラマンやライター、デザイナー、校正者、印刷会社などのプロフェッショナルたちと一緒に、一つのものを作ることができる。
私は本当に良い仕事に就くことができました。
お客さまに必要としていただける限り、これからも全力で、一緒に走り続けたいと思っています。
社内報担当者の皆さんが「担当になって良かった」と思えるように。
そして、その先にある良い会社づくりを、ほんの少しでもお手伝いできるように。
これからも、お客さまと二人三脚で伴走していきたいです。
社内報は、完成した冊子や記事だけではなく、その制作過程で生まれる対話や気づき、人と人とのつながりにも価値があります。
ウィズワークスは創業以来、数多くの企業の社内報づくりに伴走してきました。企画立案から取材・制作、運用支援まで、担当者の皆さまと二人三脚で「良い会社づくり」を支えています。
社内報やインターナルコミュニケーション施策についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。