【新刊】笹谷 秀光著『協創力が稼ぐ時代』10月2日発売

一覧へ戻る 2015.9.30 プレスリリース

ウィズワークス株式会社は10月2日、株式会社伊藤園常務執行役員CSR推進部長、笹谷秀光氏による『ビジネス思考の日本創生・地方創生 協創力が稼ぐ時代』(Nanaブックス)を刊行します。

本書は、31年の行政経験(農林水産省、外務省、環境省)と7年の企業ビジネス現場の経験を有する著者独自の視点から、企業の社会対応力(CSR)の重要性と、日本型の共有価値創造(CSV)戦略による持続可能な企業価値向上策を体系的に整理し、先進的な企業事例や自治体による地方創生の好事例を交えて紹介するものです。

本業を生かした価値創造

『協創力が稼ぐ時代』
【書籍データ】
●判型: 四六版
●ページ数: 320ページ
●定価: 本体 1,500円+税
●ISBN: 978-4-904899-50-2

長引く停滞経済下においても社会や消費者の共感を得て成功している企業事例を分析すると、本業を生かして利益と社会価値の同時実現を目指す競争戦略が功を奏していることがよく分かります。複雑化する社会課題に真摯に向き合い、社内・社外のさまざまな関係者との連携で気づきを得て、イノベーションにつなげています。このように、今や企業は本業を通じて関係者との「協創」により商機につなげる、正に「協創力が稼ぐ時代」だといえます。企業の社会対応と聞くと慈善活動と捉える向きもありますが、複雑化する社会課題の解決にこそ、企業の本業による価値創造力が生きるのです。

この点を明確に主張したのが、競争戦略の権威である米国のマイケル・E.ポーター教授らで、自社の利益と社会価値の同時実現を目指す「共有価値の創造」(CSV)という新たな競争戦略が注目されるようになりました。具体的には、(1)製品・市場の見直し、(2)生産工程(バリューチェーン)の見直し、(3)産業集積(クラスター)の形成の3つのアプローチにより論じられていますが、米国発の考えで、外国の事例や英語の焼き直し的説明などが多く、日本のビジネスパーソン、自治体関係者等にはなかなか自分ごと化しにく、これらを明快に解説した書が存在しないという状況でした。

「共有価値創造」の事例から見えるもの

そこで本書では、身近な企業、自治体の事例を取り上げ、この3類型に分けて解説を加えました。「共有価値創造」の視点でこれらの事例を見ていくと、世界一厳しいといわれる日本の消費者ニーズに対応している最新のトレンドも含めて、さまざまな分野で関係者連携・協働による「協創力」により成功している企業の姿が明らかになります。

そして、人口減少への強い危機感のもと、政府は「地方創生(まち・ひと・しごと創生総合戦略)5か年計画」を推し進めています。地方創生では、地域の潜在力、良いものを徹底して掘り起こし、地方の「稼ぐ力」につなげることが重視されていますが、この動きを先行して企業も顔負けの「ビジネス思考」での取り組みを進め自治体の好事例が見られるようになりました。いずれも、関係者連携・協働による「協創力」を引き出す「場」として、活動の共通基盤(プラットフォーム)をつくり、複雑化する一方の課題解決に企業の力を活用していることが分かります。

こうした企業、自治体の取り組みを踏まえ、本書では「三方よし」につながる仕組み作りを提唱しています。共有価値創造(CSV)という米国発の主張が提起されていますが、近江商人の経営理念である「三方よし」(自分よし、相手よし、世間よし)のように、これは日本にもともとあった考えです。ただし、「三方よし」と同時に「陰徳善事」、すなわち「人知れず社会に貢献しても、わかる人にはわかる」という心得が、日本企業のイノベーションを阻害している要因であるとし、著者は、三方よしを、社会対応力、共有価値創造力、発信力の3要素で補正した「発信型三方よし」を、「協創力が稼ぐ時代」における新たな経営戦略として提唱しています。これが日本型の共有価値創造戦略(CSV)です。

point

以上の通り、協働と発信で革新を呼び、利益を生み出す共有価値創造の日本戦略を示す本書を通じて、企業には、新グローバル時代のインバウンド消費・クールジャパン・情報通信技術活用・国際都市東京・地方創生で新たなビジネスチャンスをつかむ手掛かりとし、自治体・政府関係者には、企業の力を引き出し勝機につなげるヒントが得られることでしょう。

    【本書の構成】
  • 第1章 「ご当地キャラ」と「食グランプリ」の活用術
  • 第2章 自転車シェアに見る複合課題への対応
  • 第3章 「共有価値創造(CSV)」戦略
  • 第4章  「発信型三方よし」の提唱
  • 第5章 まち・ひと・しごと創生への関係者の結集
  • 第6章 地方創生で共有価値を創造する
  • 第7章 「気づき」と「発信力」による地方創生
  • 第8章 日本創生時代の「発信型三方よし」

著者プロフィール

笹谷 秀光(ささや ひでみつ)
株式会社伊藤園 常務執行役員 CSR推進部長

  • 特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム理事、
  • 日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、
  • 日本広報学会会員、日本環境福祉学会会員、異文化経営学会会員、
  • 通訳案内士資格保有(仏語・英語)

東京大学法学部卒業。
1977年農林省(現農林水産)入省。人事院研修で1981-1983年フランス留学、外務省出向(1987-1990年在米国日本大使館一等書記官)。農林水産省にて、中山間地域活性化推進室長、市場課長、牛乳乳製品課長、国際経済課長、農林水産技術会議総務課長等を歴任。
2003年環境省大臣官房政策評価広報課長、2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。
同年伊藤園入社、知的財産部長、経営企画部長等を経て2010-2014年取締役。
2014年7月25日より現職。CSR・環境を担当。
現在、多様なテーマの、講演・シンポジウムに登壇多数。

  • 著書「CSR新時代の競争戦略-ISO26000活用術」 (日本評論社・2013年12月)
  • 分担執筆・田中宏司・水尾順一編著「三方よしに学ぶ人の好かれる会社」(サンライズ出版・2015年3月刊)
  • 論文 「“トリプルS“の経営戦略による環境福祉」総説、環境福祉学会N09 2014.6
  • 「ISO26000による CSR、共通価値の創造( CSV)及び持続可能な開発のため教育( ESD)の “トリプル S”による異文化経営戦略に関する一考察」研究ノート、異文化経営学会・異文化経営研究11号 2014.12
  • 「ISO26000によるCSRとCSVの関係性及びそれらの普及啓発のためのESDに関する一考察」論説、日本経営倫理学会誌22号(2015)